簡単そうな修正でも裏ではこれだけ大変

システム開発やホームページ制作・保守を運営していく上でよくあるトラブルと言いますか、制作側とクライアント側で金額に対する価値観のズレが発生することがあります。

それは、システムやホームページの一部を修正するだけなのに高額すぎるのでは?というお客様側の疑問。

例えばホームページである文字の色の変更を依頼した際に思わぬ見積もりが返ってきた。少しの文章の色の変更を依頼しただけなのに・・・こんなのぼったくりだ!というお話。

これは制作側が行う作業内容がクライアント側にうまく伝わっていないことで発生する問題です。

一般的にwebやプログラム、システムに携わっていない方々はwebやプログラム、システムについて知らないことが多いのは当然です。そのことを分かっていない開発者も多いと私は感じます。

では実際に文字の色を赤から青に変えてくださいという修正依頼。

一見簡単そうな作業でも、色を変えるという作業以外に複数の作業、主に確認作業が発生します。対象の文字以外の色が変わらないか、意図していない部分が変わっていないかなど確認を行う必要があります。

これを「工数」と呼びます。

ホームページで文字の色を変えたいとなった場合、コンピューターに伝わるようにコンピューター言語で命令を与えなくてはなりません。

たった5文字「あいうえお」を青色で画面に表示するだけで、HTML言語とCSS言語という言語を用い次のような命令が必要になります。

【HTML】

<p class=”aiueo”>あいうえお </p>

【css】

.aiueo {color: #3283ff;}

上のHTML言語とCSS言語の簡単な仕組みは <p>から</p>であいうえおを囲っています。イメージとしては「あいうえお」を<p>という箱の中に入れていると思っていただくとわかりやすいかと思います。

そしてあいうえおが収納されている箱にaiueoという名前を与えます。ここまではHTMLの命令文。

そしてcssでaiueoと名づけられた箱の中の文字「あいうえお」を青色にしろという命令を与えています。

この命令を与えてやっと画面の左上に青色であいうえおと表示されます。

赤色から青色に変えたいとなった時、ただ青に変えるのは簡単です。しかし気をつけなくてはいけない点が3つ出てきます。

1.他の箱にもaiueoという名前を付けていた場合、あいうえお以外の文字の色まで青色になってしまわないか。

2.他の箱にもaiueoの名前が付けており、その箱の中身の文字の色を変更したくない場合は箱の名前を分ける作業が発生します。

3.各ページで予期せぬ不具合が起きていないかの確認が必要になります。

3は確認するページ数が多ければ多いほど工数がかかります。

このようにたった5文字の文字の色を変えるだけで様々な確認作業・工数が発生します。また上記で上げた例ではなくプログラムの修正だとその修正が原因で不具合が発生していないか相当の工数が発生します。

ちなみにDrop in Designでは上記のような色を変えたいなどの作業は1箇所1,000円度で承っています。

無料でいいだろうという声が聞こえてきそうですが、無料で引き受けると約束(契約)してしまった場合、一度に何個ものご依頼が来た際に歯止めが利かなくなるのと、実際に作業が発生するので費用をいただいております。

この記事を読んでいただいたことで少しでも工数についてご理解が深まっていただけたなら幸いです。

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